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スタッフの感動を一番に考えています

Q.創業58年経つそうですが、色々な事業をされていらっしゃいますね。
どういった経緯があったのですか?

現在、(株)かねはらはスポーツクラブ、ホテル、葬儀の各事業をやっているんですが、元々は父が漬物工場と野菜の問屋、落花生の加工などの仕事をしていました。
漬物も昔は沢山あったんですが、今は物凄く少なくなっていますよね。

私が大学2年生の時、当時世の中はスイミングのブームだったんですよ。
それで父が漬物工場を丸々潰して、浜北スイミングスクールを作ったんですね。

私は大学を卒業する際に家に帰るつもりは無かったんですけど、ホテルを始めるから戻ってくるようにと言われました。
ホテルの事なんか全く分からない状態でホテル部の長をすることになりました。

会社としても新しい事業だったので、他に誰も経験者がいない状態でスタートしたんです。
つぼ八さんの居酒屋の研修に参加させて頂いたり、ホテルの研修などもあちこち行きましたよ。

実はビジネスホテルで宴会をやると聞いていなくて、宿泊メインのビジネスホテルだったらいいかなと思っていたのですが、宴会も行うものでしたね。

よくセットで語られていますけど、「宿泊業」と「宴会業」は全く違うものなんです。
だから宴会の方は相当苦労しました。

自分なりにホテル事業を色々取り組んだのち、32歳の時ですがホテルはスタッフに任せて浜北スイミングスクールの社長になったんです。
これは有名な話ではあるんですけど、私は泳げないんです。
小学校も中学校も高校も学生の頃は、体育で水泳をする2学期は5段階で必ず「2」だったんです。
水泳だけは世の中で一番嫌いなものでしたので、そのまま放っておいたというか、何にもせずにいました。

当時、「スイミングスクール」はスパルタのガチガチの体育会系でした。
選手育成が全てであって選手になれない子、辞める子は落ちこぼれという考えだったんですが、その中でも選手になれるのは100人中2人くらいでした。

そういうピラミッド型の組織が嫌いで、超体育会系は辞めて変革をしました。
保護者の方は何を求めているのかというと、必ずしも選手になる事を求めている訳では無くて、子供たちの健康であったり、社交性だったり、子供同士や子供と保護者の関係、あと保護者の子育ての悩みを考えたりというそういう場だと思いました。

そこで、私は「スイミングスクール」では無く「スイミングクラブ」としての取り組みを始めたんです。
世間ではその区別はつきませんけど、「スイミングクラブ」と「スイミングスクール」は違うもので、技術だけ教わるのは「スクール」で、「クラブ」と名乗っている以上は漢字で「倶楽部」、共に楽しむ場って書くんですけど、社交の場なんですよね。

ですから、生徒では無くて会員さんであって、月謝でなくて会費なんです。
そんなことから始めて1997年、今から20年前に地域の皆様に広くご利用頂けるよう「スイミングクラブ」「スポーツクラブ」が一緒になった、健康生活倶楽部「SPJライフスポーツプラザ」を今の場所に移転オープンしました。

Q.やはりスポーツジムではなく、スポーツクラブなんですね。

「スポーツジム」と「スポーツクラブ」も違いがありまして、「スポーツジム」は体を鍛える、痩せるだけで痩せてしまったらお終いです。
目的を達成する手段として、それはそれでいいと思います。

ただ「スポーツクラブ」は一生通ってもらいたい所なんです。
例えば、日本のスポーツクラブ退会率の月平均が3~5%くらいなんですが、弊社クラブでは1%台なんです。
5%の退会率ということは年間12か月で60%辞めることになります。3%でも36%辞めるということですよね。弊社ではそれが1%です。

「SPJライフスポーツプラザ」の全会員さんの中で、20年いる会員さんが13%いて、10年以上いる会員さんが50%弱いるんですよ。
これって日本中のスポーツクラブの中で言ったら、どこでもビックリしますよ。
みなさん辞めないんです。

Q.驚きました。なぜみなさん辞められないのですか?

浜松は日本一と言っていいくらいスポーツクラブに対して過剰な地域なんですよ。
リーマンショック直後にポンポンポンとオープンが続いて、業界紙に載るくらいにでした。
だから同じ会社でも関東の広告と浜松の広告を比べると、浜松の方が安いんです。そうでないとやっていけない地域なんです。

そんな地域で他と同じことをやっていても仕方ないので、いかに倶楽部ライフを楽しんで一生涯過ごして頂くかを考えています。
倶楽部として色んなイベントをやったり、イベントを行うにしてもこちらが企画するのではなくて会員さん主導のイベントにしています。 他にも会員さん主導のサークルをいっぱい立ち上げたりといった事をやってきました。

Q.本当に社交の場なんですね。

他にも「セレモニープラザとわに」では、ご利用いただいた親族の方々を招いて食事会を開いたりもしていますよ。

Q.色々な事業を引き継がれるということで大変なこともあったのではないですか?

父親が経営していた時はバブルの時だったので、銀行は新しいことを始めるとなるとどんどんお金を貸してくれたんです。
スポーツクラブを建てたり、ホテルを始めたりしましたけど、始めたから簡単に儲かるわけではないです。
引き継いで行くのにも借りたお金を返すためにはどうしたらいいかということは考えていましたね。

自分の力だけではどうにもならない。僕は泳げませんし、葬儀も出来ませんし、ホテルも出来ませんし、料理も出来ません。
だけど、それぞれのプロフェッショナルに気持ちよく仕事をしてもらう事は出来るんです。
私はたまたま文章も書けますし、ラジオで喋ったり、メールマガジンも出したり、出来ることをやってきました。

今回初めて自分主導でお金を借りて「SPJラウレア」というデイサービスを立ち上げたんですよ。
今20年いる会員さんが100人以上いますが、20年前に50代~60代だった方は今70代~80代です。

もう車の運転が危なくて通いたいけど通えないという声が出てきていました。
それではで用意しましょうと始めたんです。

他のデイサービスみたいに踊りをやったり手芸をやったりではなく、介護保険を使うスポーツクラブに近いデイサービスなんです。
実際にこういう風に言っている所もありますが、SPJだったらその方の症状に合わせる事が出来る介護施設なんです。
その流れの中で通えなくなってしまった人もまた戻ってきているんですよ。

Q.ご商売をされていく上での秘訣やポイントはありますか?

スポーツクラブにホテル・葬儀とやっていますが、いずれの事業も徹底的なファンづくりを心掛けていて、地元の人達に物凄いファンになってもらっていると思います。
なぜなら、うちは社員にノルマを一切かけてないんですよ。

その代わり、会員さんや施主さんに絶対に嘘をつかないという事を徹底しています。
よく最初の見積りの値段と最後の値段が違う、それが普通だという所もありますが、うちは出した値段でもし追加する場合は追加しますと説明しなさいと言っています。

この場所で商売をしていく上で、地域の方々に損させてもメリットはありません。
値段を必要以上に安くはしませんし、多くとるようなこともしないです。
そういう考え方でやっていますね。

Q.企業は人なりと言いますが、スタッフの事をどう思われていますか?

会社の理念で「感動第一主義」と言っていますが、まずスタッフの感動を一番に考えています。
スタッフの感動が、お客様や地域に伝わって行きますので。

まず、スタッフに仕事を楽しんで貰う、そのためには押し付けて命令するのではなく、上司はスタッフが仕事を出来ない理由を除いていくという事が仕事だと思っています。

あとは、「ブレないこと、任せること」もそうですね。
経営理念とか本質とか倶楽部の目指す事に対して、色んな方法があっていいと思うんです。
目指す所がブレてしまい、言っている事とやっていることが全然違うという人が世の中には沢山いますが、ゴールは絶対にブレてはいけません。

ですが、投げっぱなしという事ではありません。
任せる際に、その人が100の力がある1000の事をやるのは無理です。
120なのか150なのか、どの位だったら出来るのかを考えます。

失敗してもいいんです、こちらがきちんと把握していればカスリ傷で済みますので。
任せる事とは我慢する事でもありますので、失敗しても次のチャンスを与えるようにしてトライ&エラーをとにかくさせて、自分がやりたいことをやらせています。

年に2回スタッフ面談もしていますよ。
成功したら自分の成果、失敗したら誰かの責任、そのようになってはいけないんです。
それはどの立場のスタッフでもみんな当てはまることで、私たちは分け隔てなく扱っていかなければいけないですね。

株式会社かねはら
◇健康生活倶楽部SPJライフスポーツプラザ
静岡県浜松市浜北区西美薗150/遠州鉄道 美薗中央公園駅より427m/徒歩5分
◇はまきたプラザホテル
静岡県浜松市浜北区貴布祢458-1/遠州鉄道 美薗中央公園駅より157m/徒歩2分
◇セレモニープラザ とわに 浜北
静岡県浜松市浜北区新原3046-1/遠州鉄道 遠州小林駅より1122m/徒歩14分
◇セレモニープラザ とわに きべの里
静岡県浜松市浜北区西美薗283/遠州鉄道 美薗中央公園駅より246m/徒歩3分
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