迷ってるくらいならまずやる。やらなかったら絶対に後悔する
Q.今の仕事を始めたきっかけは?
私は高校生の時から、ボクシングをやっていました。
高校卒業と同時に一人暮らしを始め、ジムに通いながら生活の為にお寿司屋さんでバイトをしていたんですが、[ジムも夕方、お店が忙しいのも夕方]と被っていたので、大将が「僕の友達を紹介するから、そこでバイトしたらいいよ」と、肉屋のバイトを紹介してくれたました。
そこから肉との関わりが始まったんです。
ボクシングは23~24歳まで続けました。そんなに長く続けられたわけではないですが、18歳で新人王、日本ランキング4位まで昇り詰めました。
いい思い出もたくさんありますが、やればやる程目も頭も悪くなり、この歳になってやらなければ良かったと後悔することもありますし、いつまでも続けられる職業ではないと思っていました。
そんな時、肉屋で知り合った先輩から「一緒に米久で働かないか?」と誘われ、勤めることにしました。仕事内容は、肉の加工作業でした。
給料に不満はありませんでしたが、作業内容が結構きつかったですね。
1日中包丁を固く握りしめているので、朝起きた時には自分でこじ開けないと開かないくらい指の関節がガチガチに固まっていました。
そんな中、なんかいい商売はないかと考えていました。
当時は終業時間が早かったので、仕事帰りに寄れるオープン時間の早い焼き鳥屋さんへよく通うようになったんです。
通っているうちに、こういう商売なら一生できるかな?と思い始め、仕事上肉に関する知識や仕入れ等の仕組みも理解していたので、自分で焼き鳥屋を始めることにしました。
焼き鳥屋は17年やりましたね。
Q.お店を立ち上げられた時は大変なこともあったのでは?
何とも思わなかったですね。失敗してもまた職人やればいいやと思っていたので。
店舗を借りてしまえばやるしかない、とりあえずやろう、先行で船を出しちゃおうという感じでしたね。ただ、最初の1年位はお客様も全く来店されず、苦しいスタートでした。
ですが、待つだけじゃなく攻めていこう!と考え、焼き鳥の出前を始めたんです。
これが大成功!!知名度がグンと上がって、たくさんのお客様にご来店頂けるようになりました。
当時は女房とアルバイトの子と3人体制でしたが、出前どころじゃなくなってましたね(笑)。それからあっとゆう間に17年が経っていました。
Q.焼き鳥屋で成功されて17年も続けてこられたのに、焼肉屋へ転身されたのは何故ですか?
私と同級生のお客様から「串”kenの店を新しくしないか?(リニューアルの手伝いをさせてほしいという意味)」と声をかけて頂きました。
常連のお客様でもあり信頼おける方だったので、やってみようと決心しましたが、どうせやるなら家賃を払い続けて商売をしていくよりも、土地を買って自分で店をやるのもいいかなと思い、土地を購入することに決めたんです。
今でこそ有玉のグルメ街道と呼ばれている場所ですが、土地を探し始めた15、16年前は、周りに全然お店がなかったんです。ですが、逆にチャンスだと思い今の場所に決めました。
では、この場所と規模で焼き鳥屋はどうだろう?どのようにやっていこうと考えた時に、女房との話し合いや周りの方からのアドバイスを受け、焼肉屋に決めました。
Q.焼肉屋さんオープンの際はどうでした?
初めは、浜北当時の『串”ken』に来てくださっていたお客様も多くご来店頂いていたので、忙しかったですね。でも、景気も悪くなってきたのか徐々にお客様の数は減っていき、それ以降は横ばいでずっと来ていますが、おかげさまで有玉で始めて14年が経ちました。
Q.焼き鳥屋さんで17年、焼肉屋さんで14年と長くご商売を続けてこられた秘訣はありますか?
最低限お客様を裏切らないことです。
期待を持ってご来店頂くお客様に対して、美味しかったと満足頂けるものをご提供したいと思っています。
Q.今後、どんなお店にしていきたいですか?目標はありますか?
このまま続けていけたらいいかなと思います。
私には子供が3人ます。長男長女はいろいろと事情もあり継ぐのは難しそうですが、次男は若い頃の私と同じように、現在名古屋の肉屋で仕事をしているんです。
名古屋で就職したのでどうかなと不安でしたが、店を継ぐ気持ちはあるようです。本当に継いでくれたら嬉しいですね。
Q.尊敬する方はいますか?
米久に誘ってくれた先輩を、職人として尊敬しています。
現在は米久も退職され、ご自身でお肉屋さんを経営されています。もう40年以上のお付き合いになりますね。
職人としての腕も抜群、商売に対しても厳しいけど的確で、全てにおいて凄い方です。
Q.お店の経営とは?
食べていく為ですね。社会貢献とかかっこいいことは言えません。
好きな事をして食べていけて、お客様にも喜んで頂く事をまず前提に、その上で社会にも貢献できたらそれは1番いいと思います。
Q.これを読んでくれている次代の経営者に一言お願いします。
まず一歩を踏み出してください。見切り発車でもいいと思います。
計画ばかりに拘りすぎて頭でっかちになってしまっては、足がすくんで動けなくなる。まずは行動です。
確かに、私も怖さはありました。でも、始めてしまえばやっていかないといけない、やるなら継続してやりたいと思うので、嫌でも必死に考えますよね。
要は、難しい事を考えるのは始めてからでも遅くないんじゃないかという事です。
迷ってるくらいならまずやる。やらなかったら絶対に後悔しますから。
串゛ken
静岡県浜松市東区有玉南町1360-1さぎの宮駅(遠鉄 鉄道線)から995m/徒歩12分
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