夢を持つことが大事
Q.今のお仕事を始めたきっかけは何ですか?
父の病気ですね。末期の前立腺がんでした。
当時、アメリカの大学を卒業後そのまま就職していたのですが、そのことで呼び戻されました。
看病をして行く中で、父は寝返りが出来ないので、床ずれが出来て痛い痛いとずっと言っていたんですね。
僕らが出来ることは、優しくなでたり体を温めてあげることぐらいじゃないですか。
でも、そうすると体が楽になることがあったんですね。
その後父は亡くなったのですが、その時に思ったことは、今まで仕事をガンガン頑張っていたり競争社会で生きてきても、
死んでしまったら終わりなんだなという事です。
その時、健康について何か人の役に立てることはないかと考えました。親孝行は何もできなかったので。
お医者さんになるのは6年かかるし、優しい整体のような健康に役に立てることはないかなと思って始めました。
当時僕は数学分野の研究者でしたので、実家はサービス業だったものの、全く畑違いの分野に飛び込んだ形なんです。
結婚もしていましたし、子供もできたばかりでした。
Q.ご家族の反応はどうでしたか?
やりたい事ならやれば良いんじゃないかとは言われたのですが、家のお金は持ち出すなと、全くのゼロからやってくださいと言われました。
Q.まずは勉強から始めたと思うのですが。
学校選びからでしたね。資料請求は80校以上取り寄せて、HP等も調べて全部話を聞きに行きました。
技術はどの学校でもちゃんと教えてくれると思うんですよ。でも経営の部分ですね。
先生自身が稼いでいたり幸せな生活を送れていないのに教えている人が結構多いんですよね。
それだけの技術があるなら、自分もやれば良いのにと思うんです。
大手の専門学校では先生は教える専門でやっていたりするのですが、自分は生きていかないといけないので、ビジネスという面でもしっかり学ばないといけないなと思って、お話を聞きに行ったときに「何で先生をされているんですか?」と聞いたんですね。
その中のある先生が治療院をされていた事と、HPのコピーライティングが当時流行っていたダイレクトレスポンスマーケティングというアメリカから持ち込まれた形式で書かれていたので、ここはいいかもと思ってそこに決めました。
僕自身も14歳の頃に心臓の手術をしていて、他の子たちのようにガンガン運動をしたり高校生活を送れなかったんですね。
日本でのリハビリは泣きながらするような「痛い」リハビリでした。
痛いことをしないと治らないというようなところもあったんです。
それでも高校3年間は左肩が上がらなかったんですね。いくらやっても良くならなくて。
アメリカでもリハビリを受けたんですけど、3か月リハビリを受けたら腕が上がったんです!
凄くソフトに優しくしているのに、体がどんどん良くなったんです。
そういう事もあったので父にもまねごとのようにやってみたら、いくら痛み止めを打っても取れなかった痛みが取れたんです。
技術的に言えば、バキバキボキボキやるような所よりも優しく触れる事を教えてくれる所を探していました。
今までの世代の人たちは歴史的に見ても、浜松は戦後焼野原から復興させようと競争してそれに打ち勝って、良いものをたくさん作って…としてきたと思うんです。
父もそういうタイプだったのですが、お医者さんに聞くと亡くなる時に「もっと健康に注意して、家族と一緒にいたかった」と言って息を引き取る方もいると言うんです。
だからもっと体は大事なんだと伝えたいんです。。腰がヘルニアになったりぎっくり腰になって立てなくなってしまったら仕事にも行けませんし、何もできなくなってしまいます。
いくらお金があっても寝たきりでは何もできませんので、本当に「体は資本なんだよ」という事を伝えていきたいと思うんです。
Q.お店の理念・コンセプトはありますか?
お店では「自律」と「自立」を教えています。
痛みが取れるのは当たり前で、痛みを二度と出さない体や不調を出さない体にしていただきたいです。
学校で習ったのは技術だけでしたので、卒業後に皆さんと接する中でまとまってきたアイディアなんです。
当店では、筋肉に触れて揉んだりはしません。
僕としては目先の利益というかより「痛みが取れて気持ちいい!」だけではなくて、自己啓発に近いですね。
皆さんには「自分が変わっていくのがとても心地いい」と言われます。
見えなかった景色が見えてきます。皆さん痛い世界にいて、それが当たり前だと思っているんですよね。
オフィスでも隣に座っている人は痛くないのに、なんで私だけ肩凝りなんだろうとか。
同じことをしているようで、とても大きな隔たりがあるんです。そこを見せてあげることで、体って勝手に良くなっていくんですよ。
施術もしますが、施術6割と自己変革4割を促すためにコーチングで見えない無意識に働きかけて、知らないうちに前向きになっていたりします。
心に問題を抱えている人も多いんですが、心の問題は心では解決できません。
心の問題を手っ取り早く解決するには、体が快適になれば気持ちも前向きになります。
自分がやりたいことが見つかったりします。そういうところを促しています。
環境づくりも大切です。断捨離とかも流行っていますね。
痛みとか不調は全然悪いことではなく、体が教えてくれている事なのでそう捉えてほしいですね。
そこで何をするか問われているんです。
それを無視し続けると本当に動けなくなる。体が生命を維持しようとしますから、このままではいけないという事で休息を取らせるために、本当に動けないくらいの痛みや不調を出してきます。
Q.オープン当初はどんな状況でしたか?
自分としては固定費をかけたくなかったんです。
それがお客様に負担になってはいけないので、無店舗でやっていました。どこかを借りたり、道でやってみたり。
骨盤調整はすぐできますので500円で、ストリートミュージシャンのようにやっていました(笑)
だんだんファンが増えていって、120人くらいになったときに店舗を持ちました。
いきなりお店を持つと、広告費をたくさんかけないといけなかったりします。実際そう教えているところも多かったです。
自分はブログを書いたりHPを作って「今度はここでやります」と告知したりしました。
だんだんお客さんが増えたのでやりきれなくなってお店を借りました。
最初のお店も、とある住居の以前事務所として使っていた1Fのスペースをお借りしただけなんです。
看板も全く無しでした。今もないですけど(笑)そこが他と違うところですね。
それでも、戦略がちゃんとしていれば起業はできるという事ですね。
Q.スタート時の費用はほとんど無くできたんですね。
自分の技術と、無料ブログだけでした。
当時はメルマガを申し込む費用も結構掛かったので、自分で勉強してオートレスポンダーというメールが来たら自動で返信する機能を自分で組み立てました。
すぐ連絡を返して「こういうことに注意をして、○○まで来て下さい」と送れるように自分で作ってやっていました。
ネットがなかったらもっとコストがかかっていましたね。チラシ配りも一回くらいしかしたことはないです。
皆さん店舗や事務所でいいところを借りたりしますよね。浜松では実態に合わせた家賃ではなく、駅前だから高くなっていたりします。
浜松で商売するのは、駅前でなくてもいいんですよね。みんな車を持っているので。
実地店舗に関しては本や大都市で実践されるセオリーが通用しないんですよね。
エキテンに登録しても「最寄駅から徒歩30分」と出たり(笑)
Q.今後どういったお店にしたいというイメージや目標はありますか?
僕は自分の技術を向上させて皆さんがもっと早くもっと良く楽になってもらって、それで分かったことをご家族などに伝えてくれる人が増えてくれるといいなと思います。
県西部は健康寿命が女性は全国1位、男性も2位なんです。
だから昔のままの浜松でいいと思うんです、のんびりした浜松で。
何もないと思っていてもそれが一番の幸せというか。物は東京に買いに行けばいいですし。
もっと浜松っぽくゆっくり生活したり、自然を楽しんだり、そういう生活をしてもらいたいし、そのための啓蒙活動をしていきたいですね。
Q.尊敬する人物はいますか?
特定の人はいませんが…。
お金がないから…とか言わずに、やりたいことを皆やってほしいと思います。
お客さんで大学生も来るんですが、「大学に入ったら、会社を作ってみたら?」とは言っています。
0円で起業できますしね。
人の役に立つことを運営して、そういう実践があれば就職活動にも役に立つし、そのまま商売になれば尚良いし。
世界一周したければしてもいいと思います。
何かがあってできないというのは思い込みです。
僕も大学生の頃から100か国以上行きました。先日も弾丸ツアーで台湾に行きました。今はLCCなど使えば安く行けますしね。
例えばハワイに行きたいという人にも「行けますよ!」と言っています。
何よりもそれがしたい事なら、優先すればいいんです。
育児休暇を取っても会社が回るくらいなんですから、有休をとっても会社は回ります。それはちゃんとした制度なので。
僕はアメリカの会社にいたので、みんな結構我慢していたりして日本の会社はすごいなと思うんです。
ですが、持ちつ持たれつなので会社は回るから大丈夫だよと言いたいです。
Q.オーナーさんにとって経営とは何ですか?
人の役に立つことが一番だと思います。
役に立つ情報等もネットで見ればあるんですが、それを超えたことを伝えていきたいんです。
自分の実体験とかフィルターを通して。
健康情報もあふれていて、何をどうしていいか皆分からないんですね。
企業さんの思惑も入っていてある意味洗脳されているようなところもあるので、僕がもう一段上から消化して簡単にしたものを提供していく事を心がけています。
それは施術のみならず、食べ物とかライフスタイルもです。
自分が実践して結果が出たものしか伝えていません。
ネットの情報と真逆のこともあります。
Q.経営の上でやってはいけないことは何ですか?
見栄を張らないことです。男性に多いですが(笑)
あとは最初からコストをかけないことです。
皆さんが好む言い方をすれば、志が大事という事です。
講演に来る人は「夢を持てば!」とか言いますが、夢だけでは食っていけません。
常に学び行動し続けることです。
Q.これを読んでいる次代の経営者に一言お願いします。
常識とか当たり前と思っていることが、本当かなといつもチェックすることです。
鵜呑みにしないように、自分でしっかり消化しましょうという事です。それで夢を持てばいいんです。
現状の外に夢を持つことがすごく大事です。
会社に入って、ここの社長になろうというのは現状の内側なんです。確率の問題だけなので。
極端ですが、会社に入ってアメリカの大統領になろう!というのが現状の外側です。
こういう風になりたいと思ったものの少なくとも10倍ぐらい先や上をイメージして進んでくれればいいと思うんです。
テレビに出ていたり、巷でこの人はすごく上手くいっていてかっこよく見える人は、裏を返したら実は火の車だったりするんです。
もっともっと地道に地に足をつけて、コツコツと進むことですね。
僕も整体の学校をやっているんですが、そこで生徒さんに言う事があります。
高い夢を見ながら、プロレスでいえばちゃんとヒンズースクワットをすることだと。
高くジャンプしたければ、ヒンズースクワットや腕立て伏せをコツコツ、地味だけどやることがうまくいくコツだと思います。
みんな夢ばかり見てしまうんです。それを思いながらコツコツ基礎体力をつけることです。
行動することも大事なので、難しいんですけどね。高速で走りつつヒンズースクワットをするような(笑)
そうすれば手を差し伸べてくれる人もいます。
経営的に見れば、一人でやっていて予約が取れないとは言われるので、予約の取れない整骨院さんと同じくらいに入っていると思います。
月600回くらいは施術します、一回10分くらいなんです。
東京や神戸、福岡などでも施術しています。弟子がお店を出しているので。
からだ回復センター浜松
静岡県浜松市中区上浅田2-6-10遠州鉄道線 新浜松駅より557m/徒歩7分
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