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何か実現したかったら「やりたい。」では無くて「やる!」と決める事

Q.今のお仕事を始めたきっかけは何ですか?

元々何か起業したいという気持ちはあったのですが、25歳まではトラックの運転手をしていました。
毎日関東まで走っており、体力的になかなか厳しくなってきたんです。

何をしようかと考えた時に、ずっとトラックを運転するだけだったのでその当時は人とうまく話せなかったんです。
かといって飲食店は収入も少ないし…。
ですが、転職もラストチャンスかなと思って飲食店に入ってみようと思いました。

オープニングスタッフ募集をしているお店に入って働き始めたのですが、まだあまり人と話せなくて(笑)
当時のオーナーさんからも「もっと話せるようになったほうがいいね」と言われるくらいでした。

だんだん慣れてはきたものの、トラック運転手当時と比べるとなかなか収入が厳しかったので、昼は別で幼なじみの実家のお米屋さんをお手伝う事にしました。

本当はまたトラックの運転をしようとも思っていたのですが、お米屋さんなら個人の家にも飲食店にも行くので、接客の経験にもなるし今後のことも考えると色々な対応もできるようになるかなと思い続けてやっていくことにしました。

30歳の時に、以前から相談に乗ってもらっていた先輩に「そろそろ何か始めないと、誰もついてこなくなる。口だけになってしまうよ。」と言われました。

それがきっかけで、まずは物件探しから始めました。
その先輩の知人がお店を始めるタイミングだったのですが、そのビルの同じフロアに空き店舗があると聞きまして、広さも家賃もちょうど良い物件でした。
見に行ってみたらインスピレーションで「イイな!」と感じることが出来たので、そこからバーをスタートすることになりました。

バーのオープンから2~3か月後、その先輩がお店を始めるにあたってビルの1階が空いているので、昼間から飲食店の営業ができる人を紹介してほしいと話がありました。

まずは自分も物件を見てみようと思って見に行きました。
吹き抜けなどの感じがとても良くて「これは誰かにやらせたくない!自分がやろう!」と思いました。

ただ、一店舗目のバーも始めたばかりで実績もありませんでしたので、お金を借りようと銀行へ行っても門前払いが続きました。
ちょうど別でお店をしていた後輩の担当者を紹介してもらい、歳も近かったので何回も打ち合わせやプレゼンを重ねてどうにか融資を受ける事が出来たんですね。

当時は東日本大震災の直後でしたので、物資や職人さんが不足している時期でした。
なので、オープンまで少し時間がかかったかなと思います。

Q.色々なお仕事をされたんですね。そういった経験の中で、今も役に立っていることはありますか?

高校は中退してしまい、土建屋などで働いたのが最初だったのですが、なかなか1つの仕事を長く続けることができませんでした。
ですが、今までに出会った方達が今お客様として来てくれますし、その方達の専門的な話でもコミュニケーションを取る事が出来たりするので、いろいろ経験して間違っていなかったなと思います。

また、土建屋での経験が今の内装の修理や塗装に役立ち、ある程度は自分でできるんです。なので、細かい節約になっていますね(笑)
広い分野に知り合いがいるので、何かあった時に助けてもらえるのは大きいですね。

Q.特に苦労した点は何ですか?

全てが苦労でした。

バーであれば、自分がお店に立ってお酒を出したり接客をすればいいのですが、カフェになると従業員を雇わないといけないし、メニューを考えてどんな人が来るかわからないという事もありました。
先にオープンの日を決めていたので、試作なども何もしなかったんです。

どたばたでオープンしたので、最初はレジもなかったんです。
いらないかなとも思っていたのですが、レシートが欲しいというお客様も見えましたので、必要に駆られて導入しました。

Q.とても女性からの評判のいいお店ですが、まだオープンから2年半何ですね。
短い間でここまでの人気店になったポイントは何でしょうか?

そこまでの実感はないのですが(笑)吹き抜け等がある分、夏場で他店さんが暇な時にもお客様は来て下さっているかなとは思います。
自分でもわからないのですが、ハロウィンなどのイベントの装飾などもやっているうちに自分が楽しくなってしまいます。
内装などのハード面で成り立っているのかなとは思います。
後は、お料理のボリュームなどでは他のお店よりは出ているかなと思いますよ。

Q.「公園をイメージしたカフェ」というコンセプトを思いついたきっかけはありますか?

物件を見に来た時に、やはり屋根のない中庭が目につきました。
デザイナーさんも一緒だったのですが、こういうところだったらもっと緑を増やしていこうという話になりました。

東京などの都会で栄えている場所は、公園を中心にお洒落な洋服屋さんや美容室、カフェなどが出来てそこから広がっていくんですよね。
でも、浜松って何もなかったんです。だったら、ここを公園にしてしまおうという事で公園をコンセプトにしました。

暖かい時などは披露宴の二次会やビアガーデン、音楽イベントなどでもご利用頂いています。

Q.やりがいを感じるときはどんな時ですか?

お客様が笑顔で美味しかった、楽しかったと言ってもらえた時ですね。
後は、新メニューを考えている時や装飾をどうしようかなと妄想している時が楽しいですね。

Q.経営をする上でやってはいけないことは何ですか?

従業員は粗末にしてはいけないですね。
従業員が今日は楽しくないなとかつまらないなと思うお店にしてはいけないと思います。

また、僕は一経営者ですけど壁を作りたくないんです。いつもお店に立っています。
友達のような感覚がいいなと思います。

Q.尊敬する人物はいますか?

街中で7~8店舗飲食店を経営されている方がいまして、その方を尊敬しています。
こんなにすごい方なのに、こんなに若い自分にも敬語で物腰低く接してくれるんです。

従業員とも仲良くされていて、一緒に出掛けたりもしています。
スタンスが凄いんです。現場に出ていて、単なるオーナー業ではないんですね。

Q.これを読んでくれている次代の経営者に一言お願いします。

借金するのが怖い人もいると思いますが、スタートしてしまうと何という事もないです(笑)
何か実現したかったら「やりたい。」では無くて「やる!」と決める事です。

自分は中間の答えをなくしたんです。「やる」か「やらない」か。「やりたいな」とか「どうしよう」ではなく「やる」「やらない」の二択に絞ると、物事は早いと思います。
しっかり構想を練って、人と同じことをやらないことが大事です。

自分の場合はいいタイミングも重なったと思います。
来たタイミングを逃さないのも大事です。そこで欲しいものかそうでないのかちゃんと判断することですね。

もしいい話があったら、大先輩に沢山話を聞くといいです。あと、己をしっかり知るのも大事です。
いい物件の案内もたくさんあると思います。
ちゃんと下調べをして、貯蓄があって従業員が困らないかという事などをしっかり踏まえて決めないといけないと思います。
焦っても、すぐに潰れてしまうだけです。

PUBLIC CAFÉ BAR PARK/ING
静岡県浜松市中区田町315-24
JR東海道本線 JR浜松駅より徒歩8分/ゆりの木通り沿い、アプレシオの向かい
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