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「誠心誠意」がモットーです

Q.今のお仕事を始めたきっかけは何ですか?

まずは生活の為なのですが(笑)

元々実家が呉服屋で、九州の宮崎のメイン通り沿いにありまして、「南九州で一番」と言われるくらいの高級品を扱っていました。
学校卒業後は実家のお店を手伝ってきました。

結婚後は主人も実家を手伝うことになっていたのですが、人間関係等もうまくいかないこともあり、私が25歳の頃に主人の地元である浜松へ戻り、またゼロからこのお店を立ち上げました。

Q.浜松で再スタート後、一番苦労した点は何ですか?

浜松では、なかなか良い着物を着ている人がいないんですね。
なので、浜松の人にもっといい着物をお勧めしたいという気持ちが強かったです。

問屋さんに関しては、実家を手伝っていた時代からの縁や信用もあり、比較的すんなりと取引を始めることが出来たのですが、資金がゼロだったところは苦労しましたね。

母の手伝いをしていた頃、私が問屋に行っていた事もあり知ってくださっている問屋さんもいらっしゃいました。
その頃の信用で一流の問屋さんと取引をして、お店を始めることが出来ました。

Q.長くお仕事を続けていくポイントは何ですか?

自分の売った商品やお客様に対して、最後まで責任を持つことです。
「誠心誠意」が、私のモットーの一つです。

お客様一人ひとりにも誠心誠意、その方がより美しくなるように勧めてきました。
売って終わりではなく、その後までフォローしますし、お客様には「問題があったら言ってきてください」と言っています。
そうやってきたので、今まで続けてこられたと思います。

着物は、着る人が少なくなるにしてもなくなるものではありませんので、誠心誠意やっていけば続けられるものだと思います。

Q.着物というと高いイメージがありますが、特に気を配っていることはありますか?

高い商品を買っていただく分、売ったらそれで終わりではいけませんので、例えば「これは何歳くらいまで着られます」ですとか、「その後はこうしたらいいですよ」といったアドバイスをするようにしています。

Q.やりがいを感じる時はどんな時ですか?

私が選んだ着物に関して、「東京に着て行ったら皆に褒められたよ」「浜松のどこにそんなにいい呉服屋さんがあるの?と言われた」と聞いた時は嬉しかったですね。

六本木に着て行ったら、朝倉摂さん(注:舞台美術家・画家)に声をかけられたという方もいたんですよ!
なので、何十年も前に売ったものでも責任をもっています。

きっちり筋の通ったものを扱うことで、自分にも責任が持てますね。

Q.経営をする上で、やってはいけないことは何ですか?

お客様を裏切ることですね。一回裏切ってしまったら終わりです。
お客様の身になって、最後まで責任を持たないといけません。

Q.今春、移転を予定されているとのことですが。

フリーのお客様も少なくなってきましたので、自宅での商売でも十分かなと思いました。
自宅でやれば、朝でも夜でもお客様の対応がすぐに出来ますしね。

Q.尊敬する人物はいますか?

商売を始める際に、ずっと私の話を聞いてくれていたある問屋の社長さんです。
「品物ならいくらでも持っていけ」と言ってくれていて、請求もしてこないんです(笑)

太っ腹ですごい人だなと思いました。そのおかげで続けられています。

Q.今後どんなお店にしたいですか?具体的な目標や展望はありますか?

近くに土地もありますので、さらにそこに移転できれば和服を売るだけではなく、お茶を飲んだりおしゃべりがで出来るスペースを作りたいですね。
「ちょっとあそこに寄って遊んでいこう」と言ってもらいたいです。

今まで趣味で集めてきたものを飾ったり、皆が楽しくおしゃべり出来るスペースにしたいと考えています。
そういう所が出来たら楽しいと思います。

浜松に無いものも置いて、「今日は何があるんだろう?」と皆が楽しみにしてくれるような場所が出来るといいですね。

Q.これを読んでいる次代の経営者に一言お願いします。

お客様に誠心誠意尽くすことです。

その場で売れるだけではだめです。最後に責任を持てるような商売をしないといけません。
真面目にやることです。自分の利益も大切でしょうけど。

どうしたらその人が美しくなれるか?
母には「ただ着物を売るのではなく、その人が着物を着ることでどう美しくなるかを考えて勧めなさい」と言われてきました。
これからもそうしていこうと思います。

おぐらや
静岡県浜松市中区城北3-1-43
JR 東海道本線 浜松駅バスターミナル15番乗り場[40・41・43~45]系統または16番乗り場[46・46-テ・48]系統「六間坂上」下車、徒歩約1分
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