「お客様とはWINWINの関係でいること」が大事
Q.今の仕事に就いたきっかけは何ですか?
「環境にいい洋服を作りたい。」「1年で使い捨てる洋服ではなくて、少し高くても直して着られる洋服を作りたい。」という気持ちがまず根底にありました。
両親が洋服屋を営んでいたこともあり、東京の洋服専門学校に進学し3年間学びました。
学校では、デザインやシルエット等たくさんの事を学ぶことができ、今でも役に立っています。
初めからお店を継ごうとは思っていませんでしたが、小さい頃から両親の姿を見て育ったので、やはりこの仕事かなと思い卒業と同時に家業を継ぎました。両親の代から数えると約70年になります。
Q.お店を継がれた当時はどんな状況でしたか?
両親との対立がありました。
昔は高級オーダーだけでやってきていたが、それだけではやっていけなくなると思いスタンダードオーダーを作りました。
しかし、両親も昔ながらの人間なので、意見が合わなかったんですね。
その他にも、大手チェーンさん等安い商品が出回っていた時期でもあったので、金額ではなく良いもので対抗する為にはどうしたらいいのかと悩み、大変な時もありました。
Q.一番苦労したことは何ですか?
始めは全く売れませんでした。
安い商品ばかりが売れて質の良い商品は売れなかったんです。その状態が10年間位続きました。
バブルが崩壊した時はさらに厳しい状況でしたね。あの時は1番大変でした。
2002年、インターネットを始めたことをきっかけに転機が訪れました。
中小企業中央会というところから「洋服組合でネットの勉強をしませんか」とお誘いを頂いたんです。
この勉強をした事で、現在のHPが完成しました。
HPが完成してからというもの、客層がガラッと変わりました。
今までは富裕層のお客様とのお付き合いが全体を占めていましたが、現在ではいろんなお客様が来てくださいます。
成功したのか否かは正直わかりません。
大企業に比べると足元にも及びませんが、斜陽産業と言われている「洋服屋」が廃業して行く中で、生き残っていけているのは成功と言ってもいいのかもしれませんね。
Q.経営について理念があれば教えてください。
冒頭にお伝えした内容と被りますが、「その人の体に合った良い洋服を作る」「使い捨てではない、長く着用できる洋服を作る」です。
今の世の中とは、真逆の考え方をしているのかもしれませんね。
購入する物は、多少値段が高くても全て良い物を買って長く使う。そういう風にしています。
Q.尊敬する人はいますか?
尊敬という言葉に当てはまらないかもしれませんが、経営コンサルタントの神田昌典さんの本を読んで変われた気がします。
Q.経営とは何ですか?
半分趣味で半分生活の為ですね。
Q.経営においてやってはいけないと思うことはありますか?
1つは「手を抜くこと」。もう1つは「嘘をつく事」。
最後はやってはいけない事ではないですが、「お客様とはWINWINの関係でいること」が大事だと思います。
『お客様は神様』とよく言いますよね。確かにお客様は私たちにとってなくてはならない存在ですが、商売としてやっていく以上はこちらも喜んで頂ける物を全力でご提供するので、その分の対価を下さいという事ですよね。
お客様の言いなりになっているだけでは商売なんてできません。
Q.これを読んでくれている次代の経営者に一言お願いします。
その仕事が好きな事なのかどうか。
いつまでも興味を持ち続け、追求していくことが大事です。
MARUMI TAILOR
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