変化の激しい時代なのであまり先の目標を立てすぎない
Q.今のお仕事を始めたきっかけは何ですか?
元々は一般の会社に勤めていました。上からは押さえつけられ、下からはつつかれる状態で、とてもストレスが溜まっていました。
そんな中で、将来役に立って、安定した仕事を自分で何か始めたいと思うようになったんです。
健康には興味があったので食事療法なども考えたのですが、それでは仕事にならない。
叔母が鍼・灸の仕事をしていたので馴染みもありましたし、その方面でやってみようという事になりました。
会社を退職後、3年間学校に通いました。その間、夜は修行という事で働いたんです。
昭和60年に地元へ戻り、すぐに開業という事になったのですが、やはり初めから患者さんは来ません。なので、隔週は自分でやって、残りの週はサウナ等でアルバイトをしました。2~3年程その状態でしたね。
Q.一番苦労した点は何ですか?
苦労という苦労はなかったようにも思いますが…。
初めは経験が浅かったので、失敗には気を付けました。信用問題に関わりますから。
無理な事はしないようにはしていました。
初めの5年位は上手く行っていたのですが、中々余裕は出ない状況でした。
なので、何か新しいことを始めようと思い、ダイエット指導を始めました。
ツボ療法を取り入れてやっていたので鍼灸の経験も役に立ち、徐々に患者さんも増えてきました。
上手く行き始めたのですが、そうすると今度は他の業者も同じことを始めてきたんです。
広告を出すなどの対策をしないといけませんので、経費がかさむようになっていきました。
Q.視力回復を扱い始めたのは何故ですか?
ダイエット指導でも大きく経費が掛かるようになってきましたので、また何か新しいことを始めないといけなくなったんです。
色々と情報も流れてくる中で、自分の鍼灸で経験したツボ療法を視力回復に取り入れようと独自に研究をして始めました。
Q.始めたころの、周りの反応はどうでしたか?
視力回復に関しては、主な患者さんは子どもさんですので中々反応は分かりづらいのですが、親御さんには問題の内容をしっかりと説明しています。
何でもそうなのですが、始めたころはたくさん人が来るんです。しかし日が経つにつれてまた減っていきます。
そこで考えたのは訪問マッサージでした。
当時、来院する患者さんが徐々に減少してきていました。
背景としては、資格が無くても出来る「もみほぐし」のようなお店や、整体院とかカイロプラクティックリラクゼーションのお店が増えてきたんです。
また、浜松には鍼灸の学校が3件もあるんですが、人口の割合から見るととても多いんですよ。
それだけ多いと、皆卒業後には開業していきます。お店や整体院が増えるので、患者さんもどんどん流れてしまうんですね。
なので、訪問でのマッサージや鍼灸を始めました。待っていても誰も来ませんので、介護事業所に居るケアマネージャーさんに紹介してもらい、実績を作ったんです。
今の時代、何か一つで営業するのは大変です。色々やって、総合的に見て経営していかないといけませんね。
そうやって切り替えるのも大変なのですが。
自分もそろそろネタがなくなってきました(笑)
Q.今後こうしていきたいなどの目標や展望はありますか?
年齢的に見ても、新しいことを始めるにも体がついてこないという事もあるので、今出来ていることを安定して出来たらな、と思います。
維持するために色々な策を練っていきたいと思います。
Q.やりがいを感じるときはどんな時ですか?
患者さんの症状が治って、感謝の言葉や「痛みが取れたよ」という言葉を貰った時ですね。
リハビリの患者さんでいうと、後遺症のある方からはひどくならないで家でちゃんと生活が出来るようになった、と言われることもあります。
視力回復の方ですと、とくに親御さんから感謝の言葉を頂ける事で、治療に張り合いをもって出来ますね。
Q.特に印象に残っている患者さん等はいますか?
もう4000人以上診ていますので…。
訪問マッサージの患者さんで、難病をお持ちの方が居たんです。
その方が現状維持どころか、良くなってきたと言われたことがあります。
まさか自分でもそこまでよくなるとは思っていませんでした。免疫力をつけてあげることでそこまで良くなったんですね。
患者さんに喜んで頂ける以上に、自分でも自信になりました。
Q.難病ですからお医者さんも苦労されたんでしょうね。
お医者さんは西洋医学ですから、悪いところを治すという考え方なんですね。
我々は東洋医学ですから、体全体を見て免疫力を上げるんです。
免疫は全ての病気に関係がありますから、免疫を付けることで体の方が自分で治そうとするようになってくるんです。
そこが上手く行った人は良くなっていくんです。
Q.経営をする上でやってはいけない事は何ですか?
悪くしない事に尽きます。
自分が焦って治療をすると、相手に負担がかかってしまいます。そういう事を考えてやることが大事です。
最近は時代も変わって、以前は新しい治療法などの研修会もあったのですが、今はどうやって経営をしていくかという研修ばかりですね。
治せば患者さんが来るという時代ではないようなんです。
自分たちの分野は屋内でする仕事なので、皆外に出て営業することは苦手なんだと思います。
自分も苦手な方なんですが、やはり患者さんを獲得しないといけませんので、自分の足で色々なところへ出向くようにしています。
Q.どなたか尊敬する人物はいますか?
いないですね(笑)
こつこつと実績を積み上げていく仕事ですので、目標のような人物などはいないですね。
どちらかと言えば一匹狼のようなところもありますね(笑)
ただ、最近は厳しい時代ですので色々な試みをするのですが、それが自分で正しいかどう分からないんです。
なので、集会で知り合った人の情報を聞いて取り入れることはあります。
例えば訪問マッサージだと、ネットの情報だけでは来てくれないんです。
またふとした時に入院してしまうなど変動も激しいんですよ、なので増やすのが難しいんです。
そこで自分がやってなくて他の人がやっていることを調べたら、ポスティングだったんです。
とりあえず始めてみたら、患者さんも来てくれるようになりましたね。
Q.これを読んでいる次代の経営者に一言お願いします。
やってみたいことがある時には、変化の激しい時代なのであまり先の目標を立てすぎないことです。
少なくとも5年以内くらいで軌道に乗れば良いかなくらいの気持ちでやって行かないと、失敗する確率も高くなってきます。
自分も色々しましたが、長続きしないんです。
すぐ皆がマネしてくることもありますので、そういう時に負けないようにしないといけません。
あと、自分独自のものを持っている人は強いです。経験があるのであれば、自分の経験から選べばいいのです。
全く初めてなのであれば極端に大きな目標を立てると大変なので、自分の出来ることからコツコツと始めていく事が大切だと思います。
創心堂
静岡県浜松市東区上西町19-16遠鉄バス 10番乗り場[73・74・77・78]系統「上西町」下車 徒歩約2分
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