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「独立するから一緒にやろう」

Q.開業のきっかけをお聞かせ下さい。

1つのお店を持ちたい気持ちはずっと持っていました。
元々、名古屋でスーツの問屋に勤めていたのですが、勤め始めて3年後に倒産してしまったんです。
 
名古屋あたりはスーツの需要があるので、続けていられたらゆくゆくは自分でスーツのお店をやろうと考えていたのですが、その夢は叶わず浜松に戻る事にしました。

浜松でスーツを購入する場所と言えばデパート、今後はショッピングセンターも増えていくだろうし、これでは食べていけないだろうなと感じていました。
 
では、私が浜松に貢献できる事はあるのかと考えていた時、浜松の方たちは自動車に乗って、制服のまま通勤していることに気が付きました。東京や大阪、名古屋などでは、通勤時はスーツ、会社で制服に着替えるところが多いんです。
そこで、その方面に携われないかと調べていたら、老舗のユニフォームを扱う会社を見つけ、そちらで5年程修行させて頂きました。

サラリーマンのままでも良いかと考えた時期もありましたが、両親も定年退職して家にいましたし、元々独立願望もありましたので、「独立するから一緒にやろう」とお願いし、両親・奥さんと一緒に始めました。

Q.苦労されたことはありますか?

やはり銀行さんですね。
サラリーマンが独立するといっても相手にしてくれませんでした。30年経って、やっと銀行さんから営業に来るようになりましたよ。

銀行さんはダメでしたが、近所の信用金庫さんがいろいろと相談に乗ってくださいました。
あの当時は本当に力になって頂きましたね。当時の支店長さんにも「いつでも相談に乗りますから、言ってくださいね。」と声をかけて頂き、公私共に助けられました。

Q.成功のポイントは何でしょうか?

やはり一件一件の大切なお客様をキープすることですね。
テレビのようなお話なんですが、ある大手の会社で掃除をしているのをよく見かけた男性が、実はその会社の役員さんだったという事がありました。
毎回訪問の度に話をしていて、独立すると話した時はもちろん応援してくださいましたし、「会社の制服は全部お願いするからね。」と言って頂きました。

その企業さんにはいろいろと助けて頂き、本当に感謝しています。有難いことに、その企業さんとは今でもお付き合いが続いているんですよ。
 
一人一人のお客様でも、どんな立場の方でも、大切にすることが大事だなと思いましたね。

Q.経営において、やってはいけないことは何ですか?

信用を失うことですね。
以前は500件位のお客様がいたのですが、目が届かずに仕事をやり切れず、大雑把になってしまい迷惑をかけたこともありました。
 
誠意を尽くしても実らなかったことはありますが、無理に深追いせず残ってくださったお客様を、これからも大切にしていきたいと思っています。

Q.尊敬する方はいますか?

A.私は創業者と言われていますが、2・3代目の社長さんでも仲の良い方がたくさんいます。
「バイタリティあるね」「すごいね」と言って頂いたり、私を創業者として認め、自分を卑下することなく付き合ってくれる方たちです。

仕事や家庭の悩みもある中で、経済状況などにも負けずに3・4代と続くのはすごいな、立派だなと思います。
そういった仲間ですね。いい仲間に恵まれているなと思います。

Q.これを読んでくれている次代の経営者に一言お願いします。

志をを持つことです。自分も一国一城の主になりたいという思いがずっとありました。
一人ではできません。当然、協力者や周りの仲間も必要です。

志を持っていても、踏み出せない人も大勢いると思います。周りの環境も重要ですが、本人が一歩踏み出さなければ始まりません。
やりたいと思っていてもやらない人が多いですよね。環境が整っていてやればできるのにやらず、もったいないなと思う人もいます。

階段を下りるのと同じで、踏み出すことです。会社を始めて、組織になっていけば転がっていくものです。
バックアップしてくれる人も出てきます。こういった点は、大雑把でもいいと思うのです。
ただ、周りへの配慮は大事です。地に足付けてないと、自分だけ転がってしまう。一歩づつ着実に転がしていくのが大切ですね。

有限会社中津川商店
静岡県浜松市中区萩丘2-33-12
JR東海道本線 浜松駅バスターミナル13番乗り場[53・56]系統「萩丘坂上」下車、徒歩約2分
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